癌研
2週間はとても長く感じました。
でもその間父は、自らの運転で軽井沢に行き、あちらの家を片づけに行きました。
前々から気になっていること全部、近くにある湧水の掃除や無縁仏の供養まで、やっつけてきました。
明日がないってこういうことなんだと、母からその話を聞いて思いました。
明日がある、と普通は当たり前に思っていますが、それは本当に根拠のないことなんだと実感しました。
明日のない生き方、今の私にも必要です。
さて癌研での初めての診察の日です。
「癌の診断が出ていないんだよね~~。」と若いのにため口の医師。
私の中にいやな予感が・・。
「ここは抗がん剤の治療のところなんだけど、細胞診が出てないとどの抗がん剤使うか診断が出ないんだよね~~」
2週間も待たされて、聞きたくない言葉ばかり。
「腹水がここまであると、抗がん剤も効かないんだな~~。この一か月もったいないことしましたね。」
え~~~~~!!??
ここにもいました、患者の気持ちのわからない医師が。。
「どうしますか?」
ってこっちが聞きたいからここにいるんじゃない!!
いつまでもこの人の話を聞くのが堪えられず、
「今考えられる選択肢は、まずこのまま何もしない、というのがひとつ。一応検査はしてみて治療方針を考えるというのが二つ目。そのほかにありますか?」って私が聞きました。
「そうだね~~、検査はしないといけないね。いずれにせよ。」
その横っ面をひっぱたきたい、と思う前に笑いそうになります。
「このもらってる画像とかは一か月も経っていて今の状態がわからないから、もう一回検査しましょうか。」
ということで、血液検査、CTスキャン、造影剤画像、そして大腸内視鏡検査に細胞診、全部やることになりました。
しかしここはさすが癌研,1週間ですべての検査が終わります。
そして細胞診の結果が明日わかります。
「もうどうにでもなれ!」と自暴自棄気味の本人はじめ家族のみんなです。
癌と確定する前にすでに精神的にも身体的にも疲弊している父でした。