「プロメテウスの罠」を読む。
これは朝日新聞で去年の10月から連載されている企画を一冊の本にまとめたものです。
(2012年2月の出版時点では企画は連載中)
「プロメテウス」とはギリシャ神話に出てくる、人類に火を与えたとされる神の名前です。
本の内容ですが、福島の原発事故についてあらゆる方面から、記者たちの詳細な調査に基づいて、
その時何が起きていたのかを、当事者の証言なども交えてつづっているものです。
政治家のメモや、言動なども伝えられ、実際のテレビの画面の裏側では、これほどまでに深刻な
事態が起きていたのに、国民に正しく知らせられなかった、ということに憤りを感じます。
原発の電源喪失から、爆発に至るまでの経緯、そして爆発については、福島のテレビ局の撮影した映像から
初めて政府がその事実を知ったということ。
それも発生から一時間も後のこと。
テレビにかじりついていた私たちの方が、知ったのが早かったのです。
その後も次々と爆発が起き、その時原発はメルトダウンしていたのも知らせられませんでした。
3月15日の早朝、二号機に爆発音が聞かれ、原子炉内の圧力がゼロになりました。
原子炉に穴が開いた瞬間です。
その二時間後、原発正門では1万2000マイクロシーベルト毎時(つまりは12ミリシーベルト、年間の平均的な被ばく量のおよそ5倍から10倍)というバカ高い放射線量が確認されています。
実はその日の午後から、近所に住む弟夫婦は家族全員のパスポートを持って車でとにかく東京から
西へ向かわねば、と長野まで車で行きました。
翌日、諏訪湖から電話をもらった時には、「え~~!?」と驚いてしまいました。
というのも、テレビではすぐさま何かしなくてはならない事態ではない、と何度も重ねて言っていましたし、
東京にいる私たちはどこか、他人事のように思っていたからです。
この時の弟の判断は正しかったことになります。
(それがはっきり分かったのはずいぶん後になってからです。)
うちの子供たちはその時何をしていたか、といえば普通に学校に行っていました。
マスクはしていたかと思いますが、かなりの量を被爆したと思われます。
そのうえ下の娘は、部活が普通にありましたので、外で思いっきり運動していました。
SPEEDI(スピーディ、放射能影響予測システム)がきちんと稼働していたら、せめて
屋内退避の勧告もできたかもしれなかったなあ、と思うとかなり悔しいです。
とはいえ体内に取り込んでしまった放射能は自然に減りますし
また排泄もされていきます。
取り込んでしまった放射能を、外に出すためにできることを次回から書いていきましょう。