守護霊のトコおばちゃん。
父の命日が近いことは先ほど書きましたが、それがらみでもう一つ思い出したことがありました。
父の叔母にあたる「トコおばちゃん」のことです。
ある人に私の守護霊の一人にこの人がついていると言われたことがあるので、私にとってはとても身近な存在です。
とはいえ実際に会ったのは二回ほど。それも小学生のころです。
実はこの叔母さんすごい人で、北軽井沢にある六地蔵を探し当てた方です。
ある日夢枕にお地蔵さんが立つので、気になる場所を掘ってみたところお地蔵さんが次々に地中から出てきたそうです。
今はお地蔵さんの近くにお堂が立っていますが、以前はただの野原でした。
とこおばちゃんもその近くに庵を建て、晩年はそこで暮らしていました。
実はこの六地蔵、掘り出してしばらくはただ置いてあっただけなので、時々誰かが持って行ってしまったそうです。ですがしばらくすると必ず帰ってくる、と聞きました。今も六体きちんとあります。
トコおばちゃんによると、持って行った人はかならず身内に災難が降りかかって、怖くなって返しに来るんだそうです。
持っていく人もスゴイですが、実は怖いお地蔵さんです。
この庵に小学生のころ一度父と遊びにいったことがあります。
その時にごちそうになった花豆のおこわが忘れられなくて今でも時々作ります。
生前の父によく持っていたものです。
(母は父の実家についてはあまりよく思っておらず、父の懐かしの味担当は私でした。)
父の癌がわかる少し前、突然トコおばちゃんのことが気になって、父に庵のところまで連れて行ってもらいました。
(父の元気なうちに聞いておかないと、という気持ちがどこかにありました。)
当時野原にぽつんとあった庵は、40年近く経ったいまは周りの木が育って雑木林の中にありました。
時間の流れを感じます。
庵の横に石碑があります。
小学生の時に一緒に行ったとき、おばちゃんが父に、「自分の髪の毛を集めてツボに入れてあるので、自分が亡くなったらお地蔵さん近くに埋めてくれ」、と頼んでいたのをずっと覚えていました。
父が石工をしていたからでしょうか。実の息子は別にいるのに、と子供心に思った記憶があります。
その石碑の下におばちゃんの髪の毛が埋められています。
そんなことを今朝思い出しました。
何か意味があるのかわかりませんが、不思議な春分の日の朝です。