フィッシャーのリハビリにはクラッシックバレエが効いています。
今月末で発症から3年を迎えます。
3年が一つの節目と考えていましたので、それまでにできることはと思って、リハビリを行ってきました。
外見からは病気の後遺症はほぼありません。
ですが今でも若干の複視と左半身の硬直が残っています。
複視はどこまで改善するかわかりませんが、今でも眼球の運動は行っていて地道ながらも改善している気がします。
左半身の硬直は、ストレッチや整体などでかなり緩和されていますが、まだまだ完全に元には戻っていません。
月に数回通う整体はダンサー向けのところです。
娘がお世話になっていたバレエの先生から勧められてもう半年以上通っています。
一般の人も施術を受けられるのですが、バレエの身体の使い方をリハビリに取り入れています。
バレエの美しい姿勢は、肩を下げて肋骨を締めお腹を上げることで維持されます。
一般の方には何のことやらわからないものですね。
ダンサーが跳躍や回転を行うためには、内臓ができるだけコンパクトに動かないことが必要なのです。
人間の身体はゴム風船の中に水に浮く各器官があるイメージです。
そのままで跳べば、中身が動いてバランスをとるのはとても難しいです。
それを動かないように維持する筋肉を鍛えることで、身体が楽に負担なく動けるようになります。
私は杖なしでは歩けない時期がありましたが、その時の私の内臓はダダ下がりでした。
フィッシャ―による麻痺で全身の筋力が落ちてしまい、内臓が下がってしまったのです。
よって腰への負担が大きく、痛みで長くは歩けませんでした。
まずは内臓を支える筋肉を鍛えなくてはいけなかったのですが、病院のリハビリではまず歩くことから始めます。
足を弱らせないためですが、弱った足に内臓の重みが一気にかかるのですから痛みが出て当たり前です。
痛みが出れば姿勢も歪み、ますます杖は手放せません。
脳疾患などで片側の足に麻痺のある場合、杖は必要ですが内臓を支える筋肉がしっかりしていれば、下半身への負担は大きく軽減されます。
街中で杖をついて歩く方を見かけますが、現在のリハビリにバレエの解剖学的見地を加えたら、もっと良くなる人が多いのではと思います。
現在バレエの解剖学について勉強中です。
クラッシックバレエは歴史が長く、その理論は研ぎ澄まされています。
身体を限界まで使いこなすためのメソッドが確立しています。
それをもっとリハビリに生かせないものかと思案中です。
私はたまたま大人からバレエを始めて、そしてこの病気になって、麻痺を経験し、その後のリハビリも様々なものを試してきました。
病院でのリハビリの先生に言われた言葉が印象的です。
「バレエってすごいんですね。ここまで回復の早い人は初めてです。一度使えば筋肉がすぐに動き出すその反応の良さは他の競技のひとにはありません。」
趣味程度の大人バレエでも充分役に立つようです。
バレエをリハビリへ取り入れる可能性を模索してみようかと思っています。