腹水VSドレナージュ
先日癌研にかかった際に、触診されている父の腹部は腹水でいっぱいになっていました。
つい2週間前まではまったくそんなことがなかったのに、です。
まさに「カエルのような」おなかです。
さすがにそれを見たときには、やっぱりだめかもしれないと思いました。
そしてその晩、大阪の主人から「じいちゃんどうやった?」とのメール。
「腹水たまってて、やっぱりだめかもしれない」と返信すると、「周りは絶対にあきらめたらアカン!腹水たまっても治った人もいるし、リンパマッサージも効くみたいやで!」
そうです、主人にはドレナージュをずっとしていたのですが、その恩恵には気づいていないのかと思っていました。
まだ「ドレナージュ」という言葉は覚えられないけれど、そう言ってくれたことで父に触る勇気が出ました。
そして癌研に行ってから、ドレナージュをほぼ毎日父にしています。
恐ろしいほど膨れたおなかに触るのは勇気のいるものです。
でも「おや?」と思いました。
かつて癌の方に触った時とはまるで違うのです。
ほとんどの方が鎖骨のところが固くなっているのですが、父の鎖骨のところは私よりもしなやかです。
本当に癌なのだろうかという気持ちが強くなってきました。
触るうちに怖さも消えていきました。そしてお腹のドレナージュを始めると中で流れが起きたことがわかりました。
パンパンに張っていたおなかが少しずつ柔らかくなり、そして小さくなります。
妊婦さんのドレナージュのようです。
そう思ったとたん、腹水のおなかを触ることに抵抗が全くなくなりました。
初日は10分と短めのドレナージュから、次第に時間を長くしていって今では30分程のドレナージュでおなかの中に点在しているしこりが少しずつ柔らかく小さくなり、そして当初からしつこく取れなかったみぞおちの痛みがなくなりました。
私の知らなかったドレナージュのすごさがすこしづつ、また新たにわかりかけています。
何よりおなかがずいぶん小さくなって、「楽になった」と父が言ってくれる成果を目にするのが楽しくて仕方がありません。
腹水はドレナージュで減ります。そして確実にその体は楽になります。
その話を娘にしましたら、
「お母さん、この勉強して本当によかったね。仕事でお金がもらえるっていうのもあるけど、おじいちゃんが楽になって本当によかったね。」
人知れずお風呂で泣いてしまおうかと思っています。
ドレナージュを学んでから私は本当に強くなりました。
身体も心もです。
医者がどんなにひどいことを言おうと、自分を失うことなく対応できたのは
ドレナージュという切り札があったからだと思います。
どんなことがあっても、ドレナージュで乗り越えられそうな予感がしています。
私の師匠のことばです。
「これほどのものは世界中どこを探しても見つかりませんでした。そんな世界にあなたは足を突っ込んでしまったのよ。」
一生かかってもこのドレナージュを極めることはできないでしょう。
このドレナージュの可能性は無限です。