腹水その後
いろいろな方へご心配をおかけしていますが、今回は朗報をお知らせすることができそうです。
11月末に、末期大腸がん(ステージⅣ)の診断が確定しました。
最初のみぞおちの痛みの症状が出てから2か月以上たっての診断確定です。
そして、癌研の先生の治療方針はこのまま何もしないで緩和的治療のみ、というものでした。
お医者さまもお手上げ状態です。
さて家族としてできることは、残された時間をどれだけ快適に最後まで過ごさせるかということのみでした。
そして毎日のドレナージュ、それから弟がネットで探してきた、腹水に効く漢方の服用です。
九州や中国地方にはそのような漢方薬局がいくつもあるようで、その中でも電話で症状が相談できるところに処方をお願いしました。
もう一か所メールだけで連絡を取ったところがあったのですが、処方の内容はまるで違うものでした。
そしてイチカバチカ漢方を飲み始めて10日ほど、だいぶ腹水も減ってきました。
そして何より元気です。
実は先週からまた父は自らの運転で軽井沢に行ってしまい、ドレナージュは週に一回東京に帰ってきた時にしています。
あちらでは畑仕事をしたり(もう寒いのに)なんだか忙しく過ごしているようです。
食事は相変わらず少しずつしか取れないようですが、体調はかなりよさそうです。
実は漢方処方の前に癌研の先生に漢方の服用について聞いてみました。
正直な方で「今はそういうものもあるんですね。身体の反応を見ながら服用してみてください。副作用も少なからずありますので。」
そうです、漢方にも副作用はあります。
抗がん剤のように髪の毛が抜けたり、貧血になったりという激しいものではありませんが。
そして結果としてよかったなあと思いましたのは、癌研の先生が何の外科的処置も、何の薬も出さなかったことです。
医師:「腹水に利尿剤を出すこともあるのですが、血管からも水分を絞り出す感じになってしまい、身体への負担が大きいので服用しないほうがいいです。腹水を外から抜くというのもありますが、体力がどうしても落ちてしまいますし、抜いてもすぐに戻ってしまうのであまりお勧めできません。」
私:「癌研のホームページでは腹水を血管に戻す手術をしているということでしたが、」
医師:「あれは結果的に寿命を延ばす効果が認められず、手術の負担を考えると今では行わなくなってきています。」
このやり取りの結果、非常に言いにくそうにしながらその先生は、処置はしないという方針を私たちに伝えました。
漢方の処方を受ける際に、「利尿剤の処方も腹水抜く処置もしない先生って珍しいんですよ。みんな何かしら、効果のあるなしにかかわらず、抗がん剤も入れる医者って多いんですよ。」と漢方医に言われました。
なんだか頼りなく見えた癌研の先生が俄然立派に見えてくる瞬間です。
処置をしない、という治療方針が漢方の反応をここまでよくしているのかもしれません。
もちろんドレナージュの効果もかなりあると思います。
今回のことでつくづく感じますのは、医者選びがいかに難しく、そして大事なことかということです。
今のところ、父の医者選びはうまくいっていると思います。
検査だけで何の処置も受けてはいませんが。。
的確な情報をいかに素早くかき集められるか、それもとても重要なことです。