Naomi's

リンパドレナージュであなたの身体をキレイにします。

緩和ケア

緩和ケア、と一言で言ってもその方法はいろいろな選択肢があります。

自宅にいながらホスピスのスタッフが在宅ケアにいらしていただくことも

できますし、順番が回ってくればホスピスに入ってケアを受けることもできます。

使われる薬も主治医によってずいぶん違うのではないかと思います。

癌の緩和ケアは痛みに対するものが中心になってきます。

父に使われた鎮痛剤は数種類になりました。

最終的にはモルヒネも使われました。

ただモルヒネにも種類があるようで、弱いものから強いものまでいくつかの

段階があるようです。

父は最初の弱いモルヒネで呼吸が次第に遠のき臨終をむかえました。

その期間は2日間です。

医師からモルヒネ投与の前に説明を受けましたが、今から考えると、

薬で呼吸不全になるという具体的な説明はありませんでした。

ですので、家族はモルヒネを入れてもしばらくは生きるのだろうと

思っていました。

それまでも何度か医師からの説明で、あと数日で症状が一気に進んでしまう可能性が

高い、と繰り返し説明されていたのですが、父の様子にまったくそんな気配はなかったので、

ちょっと油断していたのです。

モルヒネ投与からは母が泊まり込みで付き添いました。

扉を壊してから、ナースステーションの隣の観察室に移された父でしたので、

ほかの患者さんもいらっしゃらず、個室状態でした。

それでも夜になると父は一人でベッドから起きだし、いつの間にか床に寝ていたり

するので、ベッドには柵がつけられたりしていました。

モルヒネ投与からは、急に大声で叫んだり、すごい目つきで人を睨んだり、と

家族でも恐ろしく思えました。

これが後どのくらい続くのだろう、私たちは身が持つのだろうか、そんなことを

それぞれが口に出さなくても感じていたと思います。

なくなる前日に「今から家に帰る!!」と電話して家族を呼びつけ、最後にきちんと話したのは、

「明日結論を出す。」という言葉でした。

それを聞いて、「じゃあ明日また来るね」と病室に両親を残して、深夜に帰宅した私でした。

どんな結論を出すのだろうか?と思っていました。