お経の力
家に帰ってきた日から、葬儀の準備がバタバタとはじまることに
心底驚きました。
父が家に戻ってきたのが夜遅くでしたので、それから葬儀の日程を決めるまでが大変でした。
結局、火葬場があいておらず、葬儀は一週間後になりました。
もう少し後に亡くなった方はゴールデンウィークを挟んで10日近くも間が空いてしまった方も
いらしたようです。
翌日には女性の納棺師の方がお二人来られ、腹水のたまった父の体は特別な処理を
施されました。
そのような技術をお持ちの方は都内でも少ないそうです。
とても大変なお仕事をされていらっしゃると、本当に頭の下がる思いです。
それから葬儀まで日がありましたので、お線香番に毎日誰かが順番に泊まりました。
今はいろんなお線香もあって一晩中燃え続けるような長いお線香もあるようですが。。
そうやって迎えた葬儀はお通夜から両日とも小糠雨でした。
葬儀にはもっともふさわしいとされているお天気だそうです。
葬儀を取り仕切ってくださったのは、生前父が出入りをしていた千歳烏山の
お寺さんのご住職でした。
体調の良くない中、とても心のこもったお経をあげてくださり、
お経の間中涙が止まりませんでした。
お経というものの持つ力のすごさに初めて触れました。
なんというか、言葉では言い尽くせないものです。
何事であっても「心のこもったもの」の持つ力は人を癒してくれます。
それまで聞いたことのあるお経とはまるでパワーが違います。
きっと父も喜んでいたことでしょう。