軽井沢の家
父が亡くなって、父の実家のある軽井沢に少しばかりの土地を相続することになりました。
去年の夏はそこに娘たちを連れていき、父がとってきたばかりのトウモロコシをほおばった場所です。
今でも下の娘は「その時に食べたトウモロコシが一番おいしかった」と言います。
父は病気がわかってからは、残された時間のほとんどをそこに費やしていました。
寒い軽井沢の冬も、夏用に建てられた家でストーブをたきながら、細かい大工仕事にいそしんで
いました。
その土地は父が去年の初めに自分の兄から貰い受けたものです。
土地を受け取ってから一年と少ししか生きられませんでしたが、それはそれは楽しそうに
軽井沢に通っていました。
「軽井沢の家には栗や桃やサクランボを植えておいたから、しばらくしたら子供を連れて行って
収穫を楽しめるようになるだろう、その時まで自分は生きていられるかわからないけれども」
末期がんと判ってから、植えた木がいくつも敷地内にあります。
昨日久しぶりに軽井沢へ行きましたら、小さいながらも栗にはたくさんのイガが付いていました。
父が一生懸命世話をしているのかしらと思います。
そして家の工事が落ち着いた秋口ころから家の前の空き地で畑をしようと計画しています。